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酒の基礎知識
 

 世界の醸造酒の中で、最もアルコール度数が高く強い酒は日本酒です。老酒とかワインはせいぜい12〜14%ですが、日本酒は19〜22%にもなります。日本の先人達は世界一の酒造技術をを編み出したわけです。日本酒のもろみは、水、麹、蒸米を三回に分けて仕込みます。仕込みの後、もろみの中では、麹酵母による発行が同時に進む平行複発酵が行われます。日本酒のアルコール度数を高める秘訣は、この三段仕込みと平行複発酵にあると思われます。
日本酒の原料は米と水です。水は昔は酵母の生育に必要なマグネシウムとカルシウムを適度に含む灘の宮水のような硬水がよいとされていました。しかし、最近では純粋培養酵母を使うため、綺麗な軟水の方が淡麗ソフトタイプの上質酒造りには適するとされています。
 米は、酒造好適米と呼ばれる米の粒が大きく充実していて、大きさがそろい、中心部が白く不透明な心白部分を持った米が良いとされています。代表的なのは、生産量が最も多く、新潟県、富山県、石川県を主産地とする五百万石、長野県を主産地とする美山錦、兵庫県、岡山県を主産地とする山田錦などです。最近、愛知県で夢山水という新しい酒造好適米が開発されました。
 精米することで吟醸酒には独特の果実香を持った吟醸香が生まれます。口に含んだとき、特に感じる甘くて香ばしい重厚感のある香りのもとになるのがカプロン酸エチル。立ち香で軽快で華やかな香りのもととなるのが、酢酸イソアミルやイソアミルアルコールです。これらの成分のバランスでさまざまな個性を持った香りが生まれます。醸造のどこかの過程に問題があると、つわり香、木香様臭、むれ香、生老香(ひねか)、炭臭と表現される悪臭が生じ、酒は台無しになります。
 「吟醸酒は酒、麹、水、酵母などの材料を吟味して、製造過程でも細心の注意を払わないと行けないから、きめの細かい繊細でまとまりのある吟醸酒を作るには技術と熟練が必要です。そんな酒の造れる杜氏少なくなりました。
 酒類は原料や製法の違いにより、異なった独特の風味を生じます。各酒類には多くの香気成分が存在していますが、特に重要なのは高級アルコール類とエステル類です。日本酒に含まれる多種のエステル類の中で、バナナのような香りの酢酸イソアミルが吟醸酒には多く、フルーティーな香りを醸します。スコッチウイスキーは原料の麦芽をピート(泥炭)で薫製するため、ロースト臭が特徴となっています。ワインの香りは原料の葡萄酒に由来する香は、原料のブドウに由来する香り「アロマ」と、樽香や熟成により生じる香り「ブーケ」に分けられますが、香りの表現は多彩な言葉が用いられます。
 日本酒には、生酒、原酒、本醸造酒、純米酒、吟醸酒といった原料や醸造法による分類以外に、味や香りの特徴によって分類する方法があります。
 香りが高く、軽快でさわやかな味わいの薫酒(くんしゅ)、穏やかな香りになめらかなすべすべした味わいの爽酒、力強い香りを持ち芳醇な味わいの熟酒、ふくよかな香りとコクのある味わいの醇酒(じゅんしゅ)の四つのタイプに分ける方法です。
 薫酒の代表的なものが、吟醸酒で、生酒、本醸造酒にもここにタイプが含まれるものがあります。りんご、洋梨、バナナといった果実酒やバラ、ユリ、ライラックといった花の香りなど、甘く華やかな香りや松葉、杉林のようなすがすがしい香りを持つタイプです。爽酒は、薫酒ほど香り高くありませんが、果実香があり、清爽感のある味わいを持つタイプです。生酒が代表的で、本醸造酒、純米酒にも該当するものがあります。醇酒の代表的なものは純米酒、本醸造酒にもここに含まれるものがあります。香りは穏やかで乳製品や穀類の香りがします。旨みを含んだ甘味が一番最初に感じられます。コクのあるタイプです。熟酒は他の三タイプとは全く種類の異なる、スパイスやナッツ類、樹木などの香りが混じり合った複雑な香りがします。枯れた甘味、重厚感のある味わいが特徴です。一般に古酒はこのタイプですが、低温で熟成された古酒はここには含まれません。
 ワイン同様、日本酒にも料理との相性があります。薫酒には風味の強い酒は合わず、スズキの塩焼きのようなものが合います。爽酒に合うのは比較的あっさりしたもの。逆に醇酒に合わせるなら、すき焼きなどの濃厚な味のものがよく、あっさりした料理だと酒に負けてしまいます。個性の強い熟酒はラムのステーキ、フォアグラのソテーといったちょっと癖のある濃厚な料理と相性がよいようです。


 そうなのです。実は、おっしゃる通り「ジン」はもともと「薬」として売り出
されたのです。

 1660年、オランダのライデン大学のシルヴィウスという医者が、利尿作用
と解熱効果のある薬、としてジュニエーヴル・ワイン(現地名「イェネーフル」)
を薬局に販売させました。ジンを飲んでみるとわかりますが、確かに薬っぽい味
がしますね。あの香りがだめな人もおられることでしょう。
 ジンは、蒸留を重ねて96%くらいになったアルコールに、ジュニパー・ベリー
(杜松の実)や、コリアンダー・シーズ、シナモン、アンジェリカ、その他いろ
いろな薬草・香草類を漬け込んでそのエキスを抽出し、再び蒸留して、植物性成
分の香りを溶け込ませます。
 この薬草の配合比率やレシピは社外秘で、メーカー独自のレシピを持っていま
す。

 ジンのみならず、現存する蒸留会社で最も古いメーカーが、オランダの「ボル
ス社」で、1575年、ジンが生まれる100年近くも前から、蒸留酒を造って
いました。
そしてこの会社は1660年のジン創成期からジン作りに携わっており、由緒正
しい「ジンの元祖」といってもいい会社でしょう。
 「ボルス・ジュネヴァ」というジンが有名です。

 さてしかし、今現在、「ジンといえば?」と聞くと、残念ながら「オランダの
ボルス」とはなかなか出てきません。残念ながら、「ジンの元祖」はもはやトッ
プメーカーではないのです。
 今現在は、「ジンといえば、ロンドン・ドライ・ジン」なのです。
 なぜオランダ生まれのジンがロンドンに移ったのか……。

 それは、1689年、世継ぎがいなくなってしまったイギリス王室が、「縁が
ある」ということでオランダの「オラニエ(オレンジ)公爵 ウィレム」という
人をウィリアム三世として迎えた時です。ウィリアム三世は当時パッとしなかっ
たロンドンの産業界をどうにかしようとして、オランダのジンをロンドンに持っ
てきて、一花咲かせようと思い立ったわけですね。
 その時にウィリアム三世は
 「ジュニエーヴルって名前は長いから……」
 ってことで、「ジン」と省略されて呼ばれるようになったのです。
 そうやってみたら大当たり。ロンドンはオランダをしのぐジンの産地になった
のです。そのジンがそのうちアメリカにわたり、カクテルベースの酒としての地
位も、確保したのです。
 ロンドンはジンはたくさんありますね。
 「ビーフィーター」「ゴードン」「タンカレー」「ブードルス」「オールド・
トム」「ボンベイ」……etc.

 またジンベースのカクテルもたくさんあります。
 カクテルの王様「マティーニ」
 「ジン・ライム」「ジン・ビターズ」「ジン・リッキー」「ピンク・ジン」
「ギムレット」「ヨコハマ」「ブルー・ムーン」「ネグローニ」「ギブソン」
「青い珊瑚礁」「アラスカ」「オレンジ・ブロッサム」……etc.
 あげていけばキリがないです。本当に。

 ジンベースでワタシのお勧めのカクテルは、「ジン・アンド・イット」です。
 これはただ、ジンを1/2、イタリアンヴェルモットを1/2の割合でシェー
クするだけの、簡単なカクテルです。アメリカの映画俳優「ディーン・マーティ
ン」が好んで飲んでいたカクテルだそうです。

 まったくクセの無い純アルコールのウオツカより(例外はありますが)、少し
ばかりクセがあるジンのほうが、カクテルには使いやすいかもしれません。
 逆に、純アルコールであるからこそ、ウオツカは「チチ」や「スクリュー・ド
ライヴァー」「ソルティ・ドッグ」などのように「フレッシュフルーツ」を使っ
たフルーティなカクテルによく使われます。
 
 



 

さて、話を続ける前に、シャンパンの作り方からご紹介していきたいと思いま
す。ご存知の通り、シャンパンは他のワインと違って発泡しています。この発泡
現象は、「瓶内二次発酵」と呼ばれる過程を経ると現れます。
 普通のワインは樽で発酵させ、酵母が生成する炭酸ガスはすぐに空気中に逃げ
ていってしまいますが、シャンパンの場合、樽内で一時発酵が終わると糖分と酵
母を加えて今度は瓶内に密閉して、再度発酵させるのです。そうすると、酵母が
生成した炭酸ガスがワインの中に溶け込んで、発泡酒となるのです。その気圧は、
瓶内では5気圧にもなります。

 さて、ドンペリさんの話に戻ります。ある年の10月、ぶどうを収穫して樽発
酵をさせました。しかし、その年はとても寒い冬になってしまい(元々、シャン
パーニュ地方は寒いんですが)、酵母の発酵活動の適温をかなり下回ってしまい、
一時的に発酵が停止してしまいました。それを見たドンペリさんは
 「あ、発酵が終わった」
 と勘違いし、その年は「たまたま」樽の栓をコルクにしてしまいました。普段
は布を詰めておいたのですが。
 そして翌年の春。気温がだんだんと暖かくなってくると、樽内の酵母が再び活
性化し、二次発酵が始まりました。
 そんな春のある日、ドンペリさんがワインをテイスティングしようとして樽に
詰めてあるコルクを少しゆるめた瞬間、
「ポーン」
 と勢いよくコルクが飛び出したのです。

 これが、シャンパンの誕生日……ということになっているのですが、実はただ
の「伝説」で、ドンペリさんがシャンパンを生み出したわけではないのです。
 誰が作り出したのかわかりませんが、元々シャンパーニュ地方にあった発泡酒
を、ドンペリさんがきちんと製品化して世間に認知させたのです。そういった功
績が、現在は「伝説」となって語られているのでしょうね。
 今現在の「モエ・エ・シャンドン ドン・ペリニョン」というシャンパンは、
1935年のクリスマスに、モエ・エ・シャンドン社が特定の顧客にプレゼント
した1925年もののヴィンテージ・シャンパンの評判がめちゃくちゃ良かった
ために、

「んじゃ、その四年前の1921年ものをヴィンテージ・シャンパンとして商品
化してみるか」

 ということで、そのシャンパンの銘柄名を決めよう、ということになったとき
に、候補に上がったのが「ドン・ペリニョン僧」の名前だったのです。

 ドン・ペリニョン編、終わり。